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「当日、会場観に来てよ。
配信あと、ホテルで会見開くことになってるから。アイドルも1組だけじゃなくて3組来るらしいよ」
「なんか大事そうな配信だね」
「そうみたいだね。宣伝出来るし、内容も面白いからつい出演OKにしちゃったよね」
慎重な彼が乗り気なことに違和感を感じながら、いつものように銃のメンテナンスをし始めた。
どうやら今日は分解はせずオイルを吹きつける程度のようで、美しい形状の銃を眺めた。
毎日、銃のメンテナンスをしている渚たちをみていたせいもあって、銃への抵抗感は無くなっている。
これが人の命を奪っているのかと思うと胸が痛いが、その相手は私たちの命を狙っているのだ。
「契約内容気になる?」
こなれたように丁寧にオイルを拭き取り、シリンダーについた汚れを落としている。
「気になるけど、機密情報もあるんじゃない?」
芸能のことなどさっぱりわからないが、色々制約があって大変そうなことくらいは分かっている。
企業が「あの人に来てもらうために全て条件呑みました(泣)」って言ってたりするもんね。
乱れたまま装填させた彼はシリンダーを元に戻して、握りしめた。
「ねぇ、乙葉、俺と一緒にゲームしよっか」
「ゲーム?なんでいきなり?」
渚は至っていつも通りな笑顔だが、普段はしないことをいきなり言うから困惑した。
「乙葉が俺のことを心から信頼してるかどうかが分かるゲームだよ」
なんだか不安になることを言う。
嫌な予感がして眉間に皺は寄るし、口角が引き攣った。
「最近セックス出来てないからね。刺激が足りないと思って。ちょっとだけ手伝ってよ」
躊躇なくセックスだとか口にするから、こちらが恥ずかしくなって頬が熱くなる。
「だ、だからさっき手伝おうかなって」
「ご奉仕しながらえっちな気分になっちゃう俺の奥さんが可愛すぎて襲いたくなっちゃうといけないと思ってね。気持ち落ち着けてからしてもらおうかなって。準備できた?」
ジリジリと近づいてくる渚の甘い誘惑に胸が高鳴る。
準備できたって、何が??
乱れた浴衣姿のまま、私の腰を抱いて耳元で悪魔の囁きをかけた。
漆黒の拳銃を私に差し出し、握らせて。
「刺激的なセックスをしようか、乙葉」
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