頬がどうにかなっちゃうよ!

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「おはようーーーーー!」 目が覚めると、そこは知らない部屋だった。目の前には知らない男。 整った、あどけない少年のような顔をしている。 そして、この匂いは、オメガだ。 「誰だ、君は。何をしている。」 「葛本奈緒21歳、大好きなあるふぁの金津蓼太さん32歳を監禁しています!」 「……は?」 「あんまりにも君が気づいてくれないから、しちゃったんだよ、監禁!僕は毎日毎日君の帰り道フェロモンを出しながら後をつけてたのに!」 「……なんで声をかけたりしなかったんだ」 「君、真面目でしょ?どうせ声かけても取り合ってくれないと思ったの。あとぉ、フェロモンに気づいて番になるとか、フェロモン事故?僕が周りのアルファに襲われてるところを助けてもらって番になるとか、そっちの方が運命っぽくてロマンチックじゃん!」 ……この男、頭がおかしい。 「監禁したら、俺が番になると思ったのか?」 「ううん、思わないよ!僕は君のことを誰よりもよく知ってるからぁ、君の真面目な性格も、ちょっとロマンチストだから好き同士で番になる人としかしたくなくて、でも人を好きになったことがないからその年になっても童貞なのも、家では隣から聞こえてくる喘ぎ声ですっごくムラムラしちゃうのも、ぜぇんぶ知ってるからぁ、きっと番になってくれないだろうなっていうのは、わかってるよ!」 家のどこかに、盗聴器でもあったのか? 「だからねぇ……。」 男は、薬を取り出して飲み込んだ。 「りょうたくんも、本能には逆らえないことをしってるから、それを利用しようと思いましてぇ!」 一気に甘い匂いが強まる。おそらく今こいつが飲み込んだのは発情誘発剤だ。まずい、このままだと……。 「ほぅら!一気におっきくなっちゃってぇ!男の子なんだからっ❤️」 紅潮した顔が近づいてくる。男は、俺のベルトを外しズボンをおろした。 痛いくらいに両頬を押しつぶされて、キスをされる。 「僕と君の初めて!きっととっても気持ちがいいよ!」 それからどのくらい経っただろうか。俺は縛られたまま男と何回も何回も……。 逃げられる余地なんてなかった。そして、発情したオメガに俺も夢中で吐精してしまった。 男は満足そうに俺の顔を覗き込んでいる。 しかし、拘束が解かれることはなく、男との日々は続いた。そんなある日……。  「 できちゃった❤️」 これで、責任感の強いきみは、もう、にげられないよね? 笑顔が止まらなくて、頬がどうにかなっちゃいそう!
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