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『もしもこの投稿を見ている誰かがいるなら、時々私のことを思い出して下さい。私は本当は今日、大好きな人のお嫁さんになる予定でした。あなたが生きている今日は、私が生きられなかった未来。今日を生きる誰かがせめて幸せでありますように』  誠二は顔を上げることが出来なかった。涙で視界が滲んでいる。 「信じられない」  ようやく出てきた言葉がこれだった。 「でも、藍さんのお姉さんが言ってたことと一致するっす。退職したタイミングとかも、あってますよね」  誠二は奥歯を噛み締めた。 「お前は、どうしてこれを俺に見せようと思ったんだ?」  流生はふうー、と長く深い息を吐いた。 「藤原さんが」 「俺が」  流生の言葉を遮る。 「可哀想だと思ったのか? 恋人に何も打ち明けてもらえない、ずっと騙されっぱなしの馬鹿野郎だから?」 「藤原さん」 「これを信じるなら、ただ一人悪者は俺じゃないか。藍がこんな風に悩んで苦しんでいる間、俺は何も気付かなかった。俺がどこかで気付いていたら、藍はまだ生きていたかもしれないのに」  だんだんと声が大きくなる。流生は口を閉ざし、誠二の顔をじっと見ている。 「知られたくなかった過去まで暴いて、勝手に他殺かもしれないなんて他の人を恨んで、言いがかりをつけて、大騒ぎして。藍はそんなこと、望んでなかったってことじゃないか」  わなわなと身体が震える。この感情は怒りだ。誠二の全身が怒りを訴えている。 「俺は、どうしてこんなに馬鹿なんだ。お前が気付いていたことにも、藍が悩んでいたことにも気付かない。そんな俺のこと、お前は笑ってたんだろ。滑稽だって、そう思ってたんだろ」
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