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公園
街灯がポツポツと道を照らしていた。思ったよりは暗くない。
体を動かすなら公園だろう、という安易な考えで、近所の公園を目指すことにした。
他に歩いている人はいない。真夜中に吹く風は優しいけれど少し冷たい。一人ぼっちだな、と思った。
木々に囲まれた公園には、すべり台やブランコやベンチの他、自動販売機が一つ置かれていた。その光に引き寄せられて小さな虫が集まっている。昼間とは少し雰囲気が違う。それに、家族で花火をしに来たときとも何かが違う気がした。
ポケットの中に小銭があった。なにか買おうと選んでいると
「チアキくん?」
名前を呼ばれた。
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