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ミネラルウォーター
目が覚めた。朝になっていた。布団を肩までかけて、まるで熟睡していたみたいだ。今までにない良い目覚めだった。
ゆっくり深呼吸しながら思い出す。
夜風の冷たさ、自販機のボタンを押す感触、月明かりが差し影が伸びた地面。はっきり覚えている。ただ、帰り道の記憶がまったくない。ということは、夢なのか。
「そりゃあ、そうか」
転校先の夜間学校。クラスメートは魔女にフランケンシュタイン、吸血鬼だろうか。
「そんでもってあいつがオオカミ男? そんなわけないない……」
寝ぼけた頭をスッキリさせなくては。
台所へ向かい、冷蔵庫を開ける。そこには、飲みかけのミネラルウォーターのペットボトルがこてんと置かれていた。
だからなんだということはないけど、それ以来またぐっすり眠れるようになった。
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