今夜の君と今宵の月

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今夜の君と今宵の月

ベンチに座り、スポーツドリンクを 飲み干す彼女は、 額から流れる汗をタオルで拭う。 それは、毎晩、毎晩繰り返される彼女の日課。 時には、嬉しそうに、 そして、時には悔しそうに…… 今夜も舞い続ける彼女を僕は、 そっと優しく見つめる。 「今夜の月は、一段と光を放ってるな……」 彼女は月を見上げながらそう呟くと、 軽やかに足をクロスさせ、再び踊り始める。 月から放たれる光がその後姿を追う。 まるで彼女に優しく触れるように、 そして、アスファルトに彼女の影を映し出した。 映し出された『自分の影』を確認する彼女は、 軽やかなステップで、しなやかに動き続ける。 舞い続ける彼女を追って、月も光を放ち続ける。
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