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月夜の遭遇
夜空を見上げ、彼女が僕を見つめている。
彼女が僕を見つめている。
僕を……
あれ?
ん?
何だろう?この感覚は……
地面に、落ちて行く……
危……な……い……
「あれ? 雲で月が隠れちゃった」と彼女が呟いた。
その時だった。
ドスンとした音と共に「痛って~」と彼女の背後で男性の声がした。
彼女は、驚き後ろを振り向くと、真っ白い上下の服を着た男性が彼女の後ろで尻もちをついていた。
透き通るような肌の白さとブルーの瞳、
そして中性的な顔立ちの男性を見て少し驚いた彼女だったが、
「大丈夫ですか?」と声をかけると、彼に手を差し伸べた。
驚いた顔をする男性、
不思議そうな顔をする彼女。
男性は、いきなり立ち上がると、自分の顔、
身体を両手で触ると、更に驚いた顔で彼女に言った。
「ここは……地上? 僕は、どうしてここに?」
男性の発した言葉に戸惑う彼女……
「あなた、何処から来たの?
さっきまで、ここには私一人のはずだったけど」と彼に聞いた。
すると、彼は夜空を指差し、
「あそこから、落ちて来たみたい……」と
すまなさそうに言った。
彼の指差した先には、雲に隠れたと思われる
月が浮かぶ夜空……
「面白いことを言う人ですね……」と呟く彼女はベンチを指差し、
「ここで少し、休んだら?」と優しく微笑んだ。
彼女に促され、ベンチに座る男性……
隣に座った彼女が、彼に聞いた。
「私の名前は、『tsuki』あなたは?」
「僕?え~と、僕の名前?名前?
そう、『ライト』僕の周りはみんな僕のことをそう呼んでる。」
「ふ~ん、そうなんだ、まるで、あの雲に隠れている『月』が放つ『光』
みたいだね……」
と彼女が彼を見て言った。
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