夢語り

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夢語り

彼女の前に突然現れた『ライト』 彼の隣に座る『tsuki』 「踊り子さんなんですか?」とライトが聞いた。 「踊り子? う……ん、ダンサーかな?」 と訂正するtsuki、このビジュアルから 『踊り子』などと言うワードが飛び出すことに驚いたtsuki、彼女も彼に、「ライトは何をしている人?」と聞いた。 すると、ライトは 「僕?僕は、この世のすべてを照らす……  それが、僕の仕事」と答えた。 「すべてを照らす?」 「そう、すべてを照らす……」 「あ~、照明関係の仕事ね……」 「う……ん、そうではないんだけど、  まぁ、そう言われればそうかも……」 「じゃあ、いつか何処かで一緒に仕事  出来るかもね……」とtsukiが言った。 「僕と一緒に? 仕事を?」 tsukiはベンチから立ち上がると ライトに語りかけた。 「私、新人のダンサーなんだ。  今は、小さな舞台でしか踊れないんだけど、  沢山努力して、練習して、  いつかは、大きな大きな舞台で踊るのが  私の夢……。  スポットライトを全身に浴びながら、  世界中の舞台で踊るの……」 彼女が、ライトの前で踊り出す。 彼の前で華麗に優雅に舞うtsukiの姿に、 ライトは目を細め、優しい視線を送る。 静まり返った公園で、美しく舞う彼女の足が アスファルトを蹴る音だけが辺りに鳴り響く。 息を切らし、踊り終えたtsukiにライトは、 ベンチから立ち上がると、満面の笑みで 拍手を贈った。 「tsuki、素晴らしい舞だ……。  今夜は、いつも以上に、素敵だ! tsuki最高!」 「え? いつも以上って」とtsukiが呟いた。 「僕も、tsukiが今以上に輝けるまで、  光を放ち続けるよ……」  「ありがとう……不思議だね、ライトとは  初めて会った気がしないね。」 tsukiがライトに言った。
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