月夜にあなたを

そして、今夜も

「踊ったら、喉乾いちゃった。私、飲み物買って来る」
tsukiが公園の隅にある自動販売機に向かって歩き出した。

一人、ベンチに座るライトは夜空を見上げると、
「そろそろ、時間なんですね？」と呟いた。

「ライト～、おごるよ……何にする？」
と彼女の声が聞こえてくると、
「tsukiのお勧めでいいよ」
とライトも微笑みながら返事をする。
「わかった～」と言うtsukiの
後姿を愛おしそうに見つめるライト。

ガチャーン、ゴロゴロゴロ……。
落ちてきたペットボトルを取り出し、
tsukiがベンチに戻って来ると、
ライトの姿は消えていた。