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無 星 夜
蒼 、
君は今どこにいますか ?
僕は 、
つまらない毎日を窒息しそうになりながら
生きています 。
蒼、君のいない人生は 、
想像以上に面白味がなかったです 。
君がいなくなっても僕は何も変わらなくて 、
否、変われなくて 、
ぼうっと毎日生きています 。
僕はずっと、時間がとまったままです 。
蒼も止まってるのかな ?
そろそろそちらに行ってもいいですか ?
小さい頃 、
二人で冒険をするようにした夜の散歩は 、
もう日課になってしまいました 。
空を見上げて蒼を探すのが 、
もう疲れてきました 、
もう少しだけ 、
隣りに居たかった 。
毎日呟いて 、
平凡に生きて 、
その平凡が苦しいです 。
そこまで書いて、手が止まる 。
「 あほらし 笑 」
日本語がぐちゃぐちゃだ。
ただの愚痴だ。
普段の愚痴を 、
君宛に書いている、それだけで 、
胸が苦しい 。
息ができなくなる 。
カーテンを開けると 、
やはり東京の夜は明るい 。
「 見える星も見れねぇよ 。 」
「 いーかげんその習慣やめたら ? 」
不意に声がかけられ、
振り向くと葵さんがいた。
「 なんですか急に。 」
「 ん~、なんとなく立ち寄ったらまた空見てるから 。 」
「 僕の勝手ですよね ? 」
そう言うと
黙りこくってしまう 。
「 ごめんなさい、言い過ぎましたね。 」
そう言って伸ばした手は振り払われる 。
本当に女は面倒くさい 。
「 かいくん、ほんとは私のこと好きじゃないでしょ ? 」
「 え ? 」
思わぬとこを突かれる 。
嫌いじゃない 、
けれど好きかと問われると返答に困る 。
「 私にその子を当てはめてるだけ 笑 」
その通りだった 。
「 ごめんなさい 。 」
「 あやまんなくてい~よ 笑 」
ただ 、
と葵さんは続ける 。
「 少しその子が羨ましかったな笑 」
そう言って涙を流す葵さんは 、
俺よりずっと大人だった 。
「 じゃあ、帰るね ! 」
そう言って葵さんは部屋を出ていき 、
俺は淡い闇の中で一人、居る 。
「 面倒くさいのは俺じゃねぇか 。 」
君の見えない真っ暗な空はとても退屈で 、
思わず溜息が溢れた 。
重い体を引きずり 、
逃げるように外へ出た 。
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