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温泉旅行
真昼の誕生日に例のプレゼントは効果を発揮した。
「うわーーーーー!ありがとう!」
機嫌がよくなった真昼は鼻歌混じりで白いフードのセットアップを着用して姿見の前でくるくると回った。竹村は尻に縫い付けられた白いポンポンを眺めながら腕組みをした。
「アヒルの日改め、ウサギの日だ」
隼人はなんの事か理解出来なかったが、風呂に入っている時に思い出した。
要するに致して子をもうけよという天命らしい。
「おまえら、温泉に行って来い」
竹村は真昼と隼人に二泊三日の温泉旅行を計画した。
「そんなお金ないわよ!」
「俺には潤沢な資金源がある」
「なによ」
「定年退職金だ」
「老後にとっておきなさいよ!」
「老後はおまえが龍彦からぶん取った慰謝料で養ってくれ」
「ーーーーばっ、ば!」
思いも寄らぬ場面で田村龍彦の名前を耳にした隼人は実に微妙な顔をした。そんなやり取りもあったが二人は二泊三日の温泉旅行に出掛けた。
「真夏大丈夫かなぁ」
「叔父さんの家にはお孫さんもいらっしゃいますし、遊び相手になるでしょう」
「寂しがらないかなぁ」
ピチョーーーーーーン
「寂しいのは私です」
「あ、やだ」
「嫌だ、じゃないですよ」
「あ」
「真昼さん、好きです」
絡み合う脚、隼人の手は真昼を弄って豊かな胸を堪能し、真昼は隼人の股間に顔を埋めた。客室露天風呂付き和洋室での二泊三日、年明けに真昼は酷い悪阻に苦悶の表情を浮かべた。
「す、すみません」
「いいのぉーーーーーーーウェロロロ」
「真昼さんばかりに辛い思いをさせてしまって、申し訳ありません」
「か、せ」
「かせ?」
「稼いで、ウェロロロロ」
「はい、一日も早く昇進出来るよう努めます!」
「ウェロロロロ」
予定日は8月21日 オナガのヒナが増える日も近い。
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