それは、きっと君だったのでしょう

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昔から、朝目覚めると涙を流している事があった 『嫌な夢を見たのだろう』 そんな風に思っていた だけど、決まってその夢を見た日は大きな喪失感が付き纏っていた どんな夢だったっけ? 誰が出て来たっけ? 思い出そうとすればするほど 不思議と夢は消えていってしまう 何となく、『悲しかった夢』だった気がする そんな事を昔から何十回も何百回も続けていた でも、気に止める事も無かった たかが、夢だったから 夢なんてきっと、自分が見た場所や感じた事が妄想を繰り返して作り出したモノなのだと思っていたから なのに、あの日はいつもと違った 覚えて無いなりに、いつもと同じ場所で夢が終わる事は何となく感じていた その夢が持つ意味も考えた事さえ無かった だけど、あの日見た同じ夢は同じじゃなかった 1ページ捲られた様な…、次の物語へ進んだ様な気がした 覚えているのは、広くて優しい背中 思い返しても涙が出そうなくらいに胸がギュッとする
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