シノビ!

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 気がつけば櫻井さんが、じっと私を見ている、気がする。休み時間、弁当の時間、それから、体育の更衣室でも。いやん、見ないで! とか冗談言ってられないくらい、熱い視線がいつのまにか、注がれている。息苦しいくらい。 「うう……くるしいっ」  放課後。的当て用の手裏剣を作りながら、思わず心の声が出てしまった。 「大丈夫?」  すると、急に犬飛くんが声をかけてきた。 「ひっ!」 「?」 「あ、ああー……大丈夫」 「そう? 文化祭の準備は自由参加だから、無理しないでね」  犬飛くんはそう言って、にっこり笑った。  やさしい笑顔だ。その笑顔を見て、私の心もやわらかくなった。  犬飛くんって、やさしい人なのかな。信じられない。こんなやさしい人が、くさりがまとか刀を用いて人をぶち殺すだなんて。 「ありがとう。犬飛くん。ちょっと、考えごとしてたの」 「手裏剣、難しい?」 「うん、難しくはないんだけど、うまくできなくて。カッター使うの慣れてないからかナ」 「そう? どれ、見せて」
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