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背筋がぴんとしてて、体幹がある感じがする。きっと鍛えてるんだ。忍者だから。もしかして脱いだら、シックスパック、即ち腹直筋が姿を現すかもしれない。
のほほんと犬飛くんを見ていたら、犬飛くんが急にふりかえって、ニコって笑ったので、びっくりした私は顔が真っ赤になってしまった。
そんな、こんなで、やってきました。文化祭当日。
文化祭に参加する子もしない子も、一旦教室で出欠を取ることになっている。私は当日の運営には参加しないけど、出席確認のためにいつも通りに登校した。
で、いつも通り教室に入ろうとしたのだが。
「……あ、」
教室のドアが開かない。
鍵は……開いているのに、だ。
私は辺りを見渡して、人がいないのを確認すると、指で空に星を描いた。
「ハ!」
そしてドアを引いた。ドアは抵抗しながらも、ずるずると開いた。
恐らく鍵は開いていたのだが、「閉まっていた」のだ。
やだなぁ。
空気、悪いなあ。
思いながらも教室に入る。教室には、犬飛くんと櫻井さんがいた。
これはよくない。二人とも机や椅子を乱しながら、うなだれて横たわっている。意識はあるのか、ないのか。
「あっ!」
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