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第2章 異世界転生
~曹休Side~
時は西暦204年09月15日。
曹休「母上、またそのお話ですか?」
ここは曹休の叔父である曹操が治める許昌改め許都にある曹休…字は文烈とその母親である曹星…字は笙鈴の為に与えられた屋敷でございます。
曹星「文烈、貴方は曹家に名前を連ねる人間ですから早く跡継ぎを授からなければなりませぬ…。」
曹休の母親であり曹操の異母姉である曹星が息子の身を案じているのは…30歳を迎えても浮いた話の1つもないからでございます。
曹休「俺は子桓殿と楽しく狩りをしているだけで幸せを感じておりますので…」
曹休は30歳ですが従弟である曹丕…字は子桓はまだ17歳なのでまだ焦る必要など全くありません…。
曹星「貴方と子桓殿では立場も年齢も違いますし子桓殿なら例え黙っていても向こうから縁談話が降る雨の如くたくさん来るでしょうが…」
曹星は59歳になりましたので、
跡継ぎ云々も大切ではございますが、
本心では曹休を支えてくれる人が1日でも早く現れる事を切に願っておりました…。
曹星『私が旦那様に先立たれても寂しいと思わなかったのは文烈がいたから…。だけど文烈には誰もいない…。子桓殿も身分が違い過ぎるからいざと言う時に助けになるかと言われると疑問符が付いてしまうわ…』
曹休「子桓殿は初陣も兼ねて鄴城にいる袁家を滅亡させに向かわれたのですが大事ないでしょうか?」
まるで夫の無事を祈る妻のように…
鄴城のある方角を一身に見つめ祈る曹休。
曹星はそんな息子の素振りを見ながら
心の中で強く願いました…。
曹星『これ程子桓殿に依存しているだなんてもし子桓殿に何かあればこの子は…文烈は…どうなるか分かりませんね…。早く文烈に良い伴侶となられる女性が現れますように…』
曹休「母上…、
殿と子桓殿は御無事でしょうか?」
親の苦労、子知らずとは良く申したもので、
曹星の顔を覗き込む曹休は顔面蒼白状態でございました…。
曹星「孟徳殿と子桓殿が負けるはずないわ…それに妙才殿も一緒なのよ…。妙才殿の弓で何とか切り抜けるわよ…」
妙才とは…曹操の従弟である夏侯淵の字であり疾風迅雷の如きスピード勝負の戦を得意とする弓の腕ならば神の如き…と称される程の名将です。
曹休「師範が同行なさっておいでなら…
何も案ずる事はありませんね…」
ちなみに曹休も弓矢の名手ではありますが、
その師範は言わずもがな夏侯淵でした。
曹星「それに孟徳殿なら悪運のお強い方ですから心配する事もないでしょう…」
曹休「母上…。殿に対して無礼ですよ…」
曹星に「悪運のお強い方」と言われ曹休からはその身を案じられている曹操は…
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