19人が本棚に入れています
本棚に追加
海斗の言葉ですべてを察したように健が頷く。
そして2人は場所を変えて人の少ない廊下へと移動した。
窓から差し込む太陽光が眩しくて思わず目を細める。
「やばいってなにが」
「交通事故が起こるって。それであの黒スーツの男が直接俺に話しをしに来たんだ」
「直接って、家まで来たのか?」
海斗は頷いた。
健は驚いて目を丸くしているが、これで事態の重要さに気が付いてくれただろう。
それから詳しい説明を健にすると、その表情はみるみる険しくなっていく。
「そんなにうまくいくと思うか?」
「やるしかないだろ」
海斗の手の上には男が用意してくれたものがある。
計画も健に説明したところだった。
「もし失敗したら、その3人は……」
そこまで言って健は口を閉じた。
自分たちの目の前で人が死ぬかも知れないという事態に、急に怖くなったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!