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被害者の名前がわかっていれば、駄菓子屋へ行くのを引き止めることができるのだけれど、それは難しそうだった。
「5、6年の女子って全部で200人はいるもんな」
廊下に溢れ出している生徒たちへ視線を向けて健は呟く。
きゃあきゃあと冗談を言い合いながら楽しげに女子生徒が通り過ぎていく。
「あぁ。さすがにこの中から目星をつけるのは無理がある。早く駄菓子屋に行こう」
2人が被害者を見つけるためには、被害者よりも先に現場へ向かって観察するしかない。
2人は人波をかき分けて昇降口へと急いだのだった。
☆☆☆
放課後の駄菓子屋はひっきりなしに小学生たちが出入りしているようだった。
今日は特に繁盛しているようで、狭い店内は小学生でいっぱいだ。
「あの中に女子生徒はいないみたいだ」
入り口からチラリと店内を確認して海斗が言う。
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