事故

4/7
前へ
/199ページ
次へ
今お店の中には6年生の男子が1人いるだけで、店先にも生徒の姿はない。 これなら安心か……。 海斗がそう思ったときだった。 「おい!」 健に腕を掴まれて振り向いた。 「なんだよ」 と、文句を言いながら健の視線の先を追いかける。 そこにいたのは5年生の女子3人組だったのだ。 隣のクラスにいる3人組だから、顔をみればすぐにわかった。 海斗と健は目配せをする。 きっと梓はこの3人組のことを夢に見たに違いない! 咄嗟に海斗の足が動いていた。 続いて健も歩き出す。 なにげなく3人組と通り過ぎて、海斗と健は立ち止まった。 2人は駄菓子屋へ近づいていく3人組の背中を見て、頷きあった。 海斗はポケットの中に入れておいて、男から預かったものを取り出す。 そして3人組へ話しかけた。 「あのさぁ!」
/199ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加