19人が本棚に入れています
本棚に追加
今お店の中には6年生の男子が1人いるだけで、店先にも生徒の姿はない。
これなら安心か……。
海斗がそう思ったときだった。
「おい!」
健に腕を掴まれて振り向いた。
「なんだよ」
と、文句を言いながら健の視線の先を追いかける。
そこにいたのは5年生の女子3人組だったのだ。
隣のクラスにいる3人組だから、顔をみればすぐにわかった。
海斗と健は目配せをする。
きっと梓はこの3人組のことを夢に見たに違いない!
咄嗟に海斗の足が動いていた。
続いて健も歩き出す。
なにげなく3人組と通り過ぎて、海斗と健は立ち止まった。
2人は駄菓子屋へ近づいていく3人組の背中を見て、頷きあった。
海斗はポケットの中に入れておいて、男から預かったものを取り出す。
そして3人組へ話しかけた。
「あのさぁ!」
最初のコメントを投稿しよう!