予知夢をみる

4/10
前へ
/199ページ
次へ
大急ぎで玄関から飛び出したとき、目の間に黒いスーツを着た男が立っていた海斗は足に急ブレーキをかけた。 「え、あ、なんで?」 朝っぱらからこの人に会うなんて事初めてで混乱してしまう。 海斗はキョトンとした表情を背の高いその人へ向けた。 「今日は重要な話しがある」 男が深刻そうな声色で言う。 男は何度も海斗の家をおとずれているが、こんな風に待っていたことは1度もなかった。 いつも梓が予知した手紙を、黒い箱に入れて玄関先に置いておくだけだ。 海斗は男の表情から真剣さを感じて「話し?」と聞き返した。 早くしないと学校に遅刻してしまうが、そんなこともうどうでもよくなった。 これは非常事態だ。 「学校まで送っていく。車の中で話をしよう」 男に促されて、海斗は表に停めてある黒い車に乗り込んだのだった。 ☆☆☆ 「それで、話しって?」
/199ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加