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大急ぎで玄関から飛び出したとき、目の間に黒いスーツを着た男が立っていた海斗は足に急ブレーキをかけた。
「え、あ、なんで?」
朝っぱらからこの人に会うなんて事初めてで混乱してしまう。
海斗はキョトンとした表情を背の高いその人へ向けた。
「今日は重要な話しがある」
男が深刻そうな声色で言う。
男は何度も海斗の家をおとずれているが、こんな風に待っていたことは1度もなかった。
いつも梓が予知した手紙を、黒い箱に入れて玄関先に置いておくだけだ。
海斗は男の表情から真剣さを感じて「話し?」と聞き返した。
早くしないと学校に遅刻してしまうが、そんなこともうどうでもよくなった。
これは非常事態だ。
「学校まで送っていく。車の中で話をしよう」
男に促されて、海斗は表に停めてある黒い車に乗り込んだのだった。
☆☆☆
「それで、話しって?」
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