予知夢をみる

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「これを使えばいい」 男はそう言い、ポケットの中からなにかを取り出したのだった。 ☆☆☆ 男に学校まで送ってもらったことで、登校班よりも早く教室にたどり着くことができてしまった。 まだ人数の少ない教室の席につき、男が差し出して来たものを手のひらで弄ぶ。 男から聞いた計画を何度も頭の中で思い出すけれど、そう簡単にいくものかどうかあやしかった。 けれど、今の自分にできることといえばこれくらいのことだった。 今回の任務の重大さに思わずため息が漏れてしまう。 「今日は一段と悩んだ顔してるな」 後ろから声をかけられて振り向くと、そこには友人の西村健が立っていた。 梓が見た悪い予知夢を一緒に解消している仲間だ。 ちなみに、予知夢が書かれた手紙が黒い箱に入れられて届くことから、健が『暗黒ギフト』と名付けたのだ。 「今回はちょっとヤバイかもしれないんだ」
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