ボクは家出をした

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ボクはひと通り毛繕いをすると、くるりと丸まってベッドの上で寝る体勢に入った。 遠くでまたフクロウの鳴く声がする。 ボクは何度も体勢を変えては、寝ようと目を瞑った。 でも、眠れない……。 広い部屋……ベッドは心地いいけど、何だか落ち着かなかった。 仕方なく部屋を出て、少し教会の中を歩くことにした。寝たかもしれない神父様を起こさないよう、なるべく静かに爪音を立てないように歩いた。 聖堂の一角にカーテンの付いた2つの入口がある小部屋を見つけた。その片方に入ってみると椅子があるだけの狭い空間だった。 「さっきの部屋よりはボクの家に近いかな……」 ボクはその薄暗い個室で寝ることにした。 床は微かに隙間風も入って寒いけど、それすらもいつもの環境に似ていると思ったら、うとうとと眠くなってきた。 ぼんやりと夢を見始めた頃、シャッと音がして、隣の個室に人の気配を感じた。 一気に目が覚めたボクは、心臓が飛び出るんじゃないかと思うくらいにドキドキとしていた。 ――誰かいる! 何しているんだろう……?
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