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天使になったボク
「……こんな時間にごめんなさい。どうしても罪を告白したくて……」
――な、なんだ!? ボクに話しかけてるの!?
隣から少年の声がして、驚いたボクは頭を椅子の脚にぶつけてしまった。
「……! 神父様? いらっしゃるのですか?」
まずい、どうしよう……。
「あの……し、神父様じゃないよ!」
正直に違うと答えた。声が届かないかと思って椅子によじ登る。狭いテーブルの上には、仕切りのような板があって中央には開けられそうな扉のような物があったけど、とても怖くて触ろうとは思わなかった。
「神父様じゃない……? では、その声は……」
少年は黙って、それからハッと息を吸い込んだ。
「まさか! 天使様ですか? その可愛らしい声は、天使様ですよね!?」
その声は嬉しそうにそう問いかけてきた。
ボクはどうしたらいいのか困惑して、思わず「そうだよ」と同意してしまった。
少年はとても感激したように小声で悶えている。
「……キミはこんな夜中にどうしたの?」
ボクは早く帰ってもらいたい一心で話を進めようとした。さっき「罪」って言っていたけど、何だろう?
「はい……聞いていただけますか?」
改まったように少年は小さく咳払いをした。
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