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「おばあちゃんがお家に戻って来たら、キミがおばあちゃんの好きな物を作ってあげるのもいいかもね」
ボクは自分に言い聞かせるように提案した。
ママの為に今度美味しい木の実をたくさん採ってきてあげよう。
そして「いつもありがとう」って言うんだ。
「そうですね……うん、そうします!」
少年の声は元気を取り戻し、立ち上がるような服の擦れる音が聞こえた。
「天使様にお話したら、落ち着きました。ありがとうございます」
「天使」を名乗ってしまった事には、ボクこそ罪を告白しないと罰が当たりそうだったけど、少年がこれで安心して眠れると思ったら、とても良い事をしたようで満足だった。
少年は出入口のカーテンを開け、軽い足取りで帰って行った。
ボクは椅子からピョンと飛び降りると、また下で丸くなって寝る体勢に戻った。
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