1話

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  俺は王になって二年が経っていた。  正妃であるルクレンティアは俺より一歳下の21歳だ。はっきり言って普通の顔立ちだが。その代わり、学問やあらゆる事に優れていて聡明な女性だった。性格も穏やかで冷静だし。そんな彼女とは王太子時代からの付き合いだ。もう結婚して四年が過ぎていた。子も生まれていて息子が二人いる。第一王子はサリエルといい、第二王子がシリウスといった。サリエルが2歳でシリウスは1歳になっている。まあ、そんなこんなでルクレンティアとは仲良く過ごしていた……。 「……リオル様。今日は良いお天気ですわね」 「そうだな。ティア」  正妃もとい、妻のルクレンティアが俺に呼びかける。今日は女官たちが気を利かせて二人きりにさせてくれた。有り難くはあるんだが。ちょっと緊張はしていた。美しい艷やかな黒髪に柔らかな印象を与える薄茶色の瞳。地味で目立たない雰囲気だが。それを彼女はよく心得ていた。なので控えめながらも落ち着いた受け答えをしてくれる。それが俺にとっては何よりの癒しになっていた。 「ティア。お前が正妃になってから二年が過ぎたな」 「ええ。そうですね」 「……その。娘も欲しくはないかな」  おもむろに切り出すとルクレンティアは目を大きく開いて固まった。そういう反応をされるのは百も承知だが。それでもちょっと(こた)える。 「……あの。それは何故ですの?」 「いや。息子ばかりだとティアも寂しいだろう。産むのはお前だから。無理強いはしないが」 「まあ。確かに息子ばかりだとちょっと物足りなくはありますけど。リオル様はどうですの?」  反対に聞き返されてしまった。ちょっと口ごもる。こういう場合、どう答えればいいんだ。 「……俺は。正直言うとルクレンティアとなら四人でも五人でも欲しいがな」 「……あら。そうでしたの。わたくしは娘であれば。二人は欲しいですわね」 「そうか。じゃあ、夜を楽しみに待っているぞ」 「わかりましたわ」  意外と素直にルクレンティアは頷いた。驚きを隠せずに目を開いたのだった。  夜になった。俺は執務を早めに切り上げて寝室に向かう。自分用の部屋にてシャワーを浴びる。ざざっと頭や身体を洗い、バスタオルで水気を拭う。一通りすると急いで下着を着て寝間着に袖を通した。寝支度を終えてから寝室に繋がるドアをノックする。中から返事があった。ゆっくりと開けて入る。 「……あ。リオル様」 「すまん。ティア。ちょっと早く来すぎたか?」 「そんな事はありませんわ。むしろわたくしも眠れなくて」  そう言って照れ笑いをするルクレンティアは可愛い。まるで初心な少女のようだ。俺は心の臓がどくりとなるのがわかった。毛足の長い絨毯を踏みしめながら彼女の元に近づく。ベッドの端に腰かけていたルクレンティアを抱き締めた。鼻腔に甘い香りが掠める。柔らかくてほっそりとした彼女の身体は強く力を入れたら折れてしまいそうだ。 「……ルクレンティア」  低く掠れた声で彼女の名を呼ぶ。ルクレンティアは俺の背中に両手を回した。それにまたもどくりと心の臓が高鳴る。俺は彼女の身体を離すと(おとがい)をくいと上げさせた。互いに瞼を閉じてキスをした。最初は軽く啄むようにする。次第に深く激しいものに変わった。 「……ん」  くぐもってはいるが甘い声でルクレンティアは啼いた。それに身体がじわじわと熱を持つ。舌で彼女の唇をノックするようにした。すると少しだけ口が開かれた。俺はすかさず舌を口内に滑り込ませる。ルクレンティアの歯列や顎の裏などをなぞっていく。そのたびにクチュクチュと水音が鳴る。ちょっとルクレンティアの様子が気になって薄目を開けた。  頬が薄っすらと上気して赤くなっている。結構、色っぽい。ずくりと下半身に熱が集まった。唇を離すとつうと唾液の糸が引いてぷつりと切れる。 「……ティア」  また名前を呼んだ。彼女を優しくベッドに押し倒す。再び、深いキスをしながらネグリジェの胸元のリボンをしゅるりと解いた。唇からまた離れて耳に移る。耳朶を軽く食んだ。甘噛みしてから首筋にも吸い付く。強く吸い上げた。何度もそうすると紅い華が咲いたようになる。  ネグリジェを肌蹴させて胸元や鎖骨にも吸い付いた。胸も柔柔と揉んだ。肌が薔薇色に染まり始めた。先端を指が掠めるとぴくりとルクレンティアの身体が震える。それに気づくと左側に吸い付いた。舌でぺろりと舐めてから口内で転がす。右側は指でこりこりと弄り倒した。 「……あ。リオル様ぁ!」  ルクレンティアが俺の頭を掻き抱く。髪に両手を差し入れてかき混ぜられる。左側から右側も口内で転がしながら味わい尽くす。乳房を両手で引き寄せると再び先端を舌で転がした。あられもない声で彼女が喘いだ。胸が弱いのはとうの昔に知っている。  胸でひとしきり喘がせた後で脇腹や薄い腹を手で撫でたりもした。くるりと身体を反転させる。うなじや肩甲骨、背中の至る所も唇と舌で丹念に愛撫を施す。お尻や腰だけを浮かせてクッションを差し入れた。両腿を広げさせると秘所に舌を這わせる。蜜壺や花芽をベロリと舐め上げた。  トロトロと愛液が溢れてくる。それを潤滑油にして指でも蜜壺を愛撫した。最初は浅く出し入れして様子を見る。  次第に深くまで挿入して彼女の良い所を重点的に攻めた。花芽は舌や唇で転がすようにした。秘所からは淫らな水音がひっきりなしに寝所に響く。ルクレンティアは、ただひたすらに喘ぐ。  しばらくは秘所への愛撫に励んでいたが。俺の方も限界が近づいてきた。部屋着や下履きを手早く、脱いだ。ルクレンティアの両足を大きく、広げて屹立した物を蜜壺に宛がう。 「……ティア」 「リオ様」  互いに、名を呼び合うと。一気に貫いた。 「……あぁっ!」 「くっ!」  あまりの衝撃にルクレンティアは、高い嬌声をあげた。俺も強い締め付けに吐精感を強く刺激される。何とか、歯を食いしばって耐えた。少しの間、動かずにいたが。緩やかに出し入れを始める。最初はルクレンティアの様子を見ながらする余裕があった。が、時間が経つ内に速く激しいものに変わっていく。ルクレンティアのあげる嬌声も大きくなっていった。  とうとう、限界が来た。俺は最奥を穿つように蜜壺を突く。ギシギシとベッドが軋んだ。 「……リオ様、も、もう!」 「ああ、俺もだ」  ルクレンティアが達しようとしているのを訴えてきた。俺は彼女の最奥に精を放つ。それは量が多いためか長い間、掛かった。塗り込むように何度も抜き差しする。  出し切ると、一度抜いた。コポリと白濁した物やらが出てきた。 「ティア、すまん。久しぶりだからか、もうちょっと付き合ってくれないか?」 「えっ、仕方ありませんね。分かりました」  ルクレンティアが頷いてくれた。2回戦を開始したのだった。  結局、明け方まで夜伽は続いた。俺は合計すると、5回はしたか。終わり間際にはルクレンティアもかなり、疲れ気味だった。声もすっかり嗄れてしまい、朝方にやってきた侍女たちに叱られた。  まあ、ルクレンティアは何も言わなかったが。この後、彼女が双子の女の子を身籠ったのはゆうまでもなかった。  ――finish――
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