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私の部屋にお菓子とお茶を置いて、ダンジョン攻略の会議です。
断じてお茶会ではありませんよ。
彩和さんと二人きり。会話が少ないので、若干の気まずさがありますが、気にしても仕方ありませんよね。
一番好きなお菓子は手元に確保したので、悠々と会議に勤しみましょう。とはいっても、ダンジョンに潜る時間も考慮すると、そんなに悠長にはしてられないんですけどね。
「えっと、今日は第二階層攻略ということでしたよね。私は戦力にならないので、負担は彩和さんと、黒崎さんにかかってしまうんですが……。」
「問題ない。私強い」
素晴らしい自信ですね。余程の実力者と見えます。
「…………クロサキサン?」
あれ?話してませんでしたっけ?
「黒崎さんは、一緒にダンジョンに入っている、猫さんです。」
あれ?反応がないですね。どうしました?おーい。
「…………どうゆうこと?」
あ、動き出しました。
「黒崎さんは、お友達の野良猫で、ダンジョンに一緒に潜ってくれてるんです。」
「それは聞いた。どういゆうことか聞いてる。」
なんか、微妙に会話が噛み合ってないですよね。どっちが悪いんでしょう。
まあ、どっちもでしょうね。
私も会話は得意な方ではないので。私が話してても、ちょっと何言ってるかわからない、って言われることが良くありますし。
それでも、私一人のせいだとは言いませんけどね。絶対に。
「説明すると難しいんですけど、………まあ、会ってみたらわかると思います。」
「わかった。これだけ食べたらすぐ行こう。」
これだけって。両手に山盛り持ってるじゃないですか。
私が用意しておいて言うのもなんですけど、ダンジョン探検前にそんなに食べて大丈夫なんですか?
お腹いっぱいで動きにくくなりません?
「食べた。行こう、萌愛。」
「あ、はい。」
食べるの、めっちゃ早いですね。もうちょっとゆっくり味わってもよかったんですよ?
「私は準備できてるけど、萌愛は?」
「準備なら、昨日からしてますよ。」
いやあ、我ながら用意周到ですね。遠足が待ちきれない小学生みたいになっちゃいましたが。でも、実際結構楽しみだったんですよね。
「………なにこれ。」
人の荷物を見て、なにこれってなんですか。人が頑張って用意した荷物ですよ?やっぱり失礼じゃないですか?この子。
「………お菓子、弁当、レジャーシート。全部いらない。萌愛、遠足にでもいくつもり?」
「ああああ!ちょっと、何やってるんですか!」
勝手に、出さないで下さいよ!せっかく彩和さんと楽しもうと思って用意したんですから。
「ねぇ、」
「な、なんです……?」
どうしたんですか、彩和さん。急に。いつになく目がマジですが……
「ダンジョン、舐めないで。」
「…………ごめんなさいです。」
怒られてしまいました。
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