5.私と黒崎さんです。

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「お疲れ様でした!」 「にゃっ!」  ダンジョン探索終了。帰宅しました。  あれから結構探索したんですが、これといった収穫はありませんでした。  得たものは、コウモリさんの素材だけですね。いまいち使い道がわからないんですよね、これ。  売ってお小遣いになればいいのですが。 「にゃー」  黒崎さんが、突然走り去っていってしましました。  今日も探索を手伝ってくれたので、おやつをあげようと思っていたんですけどね。それは、また次の機会にしましょうか。  敬礼で見送っておきます。  それしにても、ずいぶんとお世話になりっぱなしですね。黒崎さんには。  そうそう、黒崎さんといえば。  もうすぐ、私が黒崎さんと出会ってから、もうすぐ一年経つんですよね。  よく誤解されるんですが、実は、黒崎さんは私のペットじゃないんですよ。  簡単にいうと、仲の良い野良猫さんです。  ご飯をあげたりとか、一緒に遊んだりとかはするんですけど。  だから、あえて言うなら、ペットと主人の関係より、令嬢と世話役みたいな関係の方が近いかもしれません。  もちろん、令嬢の方が黒崎さんです。  一緒に住んでいるわけではないので、ダンジョン探索とかの用事が終わったら、黒崎さんは家の裏の山に帰っていくんです。  たぶん、あそこに棲家があるんでしょうね。もしかしたら、家族もいたりして。  思い返して見ると、私自身も、あんまり黒崎さんの事、知らないんですね。  たまに家の中に入ってきて、ご飯をねだってくるんですけど、それ以外の時に何してるのかって、全く知らないんですよね。  どこか他の家に行って、同じようにご飯をねだっているんでしょうか。  もしかしたら、デートとかしてるかもしれません。もしそうなら、相手の猫ちゃんも紹介してほしいです。  あれ?そういえば、黒崎さんって、オスなんでしょうか、メスなんでしょうか。  私、黒崎さんの性別すら知らなかったんですね。一年も一緒にいて。自分でもびっくりしました。  今まで確認する事とかなかったですからね。  なんか、急にものすごく気になってきました。  また今度確かめてみましょう。  そうと決まれば、猫のオスメスの見分け方を調べておかないとです。  顔とかで見分けつくんですかね。やっぱり、股間とかみるんでしょうか。  セクハラになりませんかね?私。  まだこの若さで捕まりたくないですよ?
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