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出会いは突然に
その日は、突然、おとずれた。
「今夜、お月見だったなぁ。お団子買ってこればよかった。」
私は夜空を見上げて呟いた。
そんな私は、祖父の営む銭湯で番台をしている。
「みっちゃん、今日もいい湯だったよ。」
「長谷川さん、いつもありがとう。寒くなってきたから、風邪引かないようにね。」
50年以上続くこの銭湯には、馴染みのお客様が大勢いる。
私は祖父に育てられた。
小さい頃から、私の成長を見守ってくれている銭湯のお客様は、私にとって家族同然の存在だ。
「みっちゃん、良かったらじいちゃんと食べて?」
「澄子ばあちゃん、ありがとう。魚の煮付けだ!嬉しい!!じいじと食べるよ。今夜もゆっくりしていってね。」
こうやって、心温まる贈り物をもらったりもする。
私はこの場所が大好きだ。
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