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高山病で酸欠状態になったかのように、私は息をするのを忘れていた。頭の中が真っ白だ。
もし秀吉の友人なら喜んであげただろう。あんなに頑張ったんだ。これで一国一城の主になれる、おめでとう!
秀吉が立派なスーツを着て歩く姿が目に浮かぶ。胸を張って堂々としていて誇らしげだ。でも、その横にいるのは私じゃない。
「まだ返事はしてない。だって夢のためとはいえ、ネネを裏切るなんて……」
秀吉は苦しそうな顔をしていた。いつも自信に満ち溢れていた秀吉が、初めて見せる顔だった。
「良かったね秀吉。これで一国一城の主はすぐ目の前じゃない。よくここまで頑張ったね」
「ネネ……」
「秀吉の彼女で誇らしいよ。さすが私の秀吉。大好き……」
秀吉の頭を胸に抱き髪を撫でてあげた。
「ネネ……」
秀吉は私を激しく抱きしめた。そして荒々しく私の服を剥ぎ取り自分も全裸になった。
「ネネ、愛してる!」
私の目の前には秀吉の肩があった。
「秀吉、私もよ!」
私は秀吉の肩に噛み付いた。
ーーええい、こんな毛抜けてしまえ!
秀吉の福毛を食いちぎってやった。私の体に夢中な秀吉は気付いていなかった。
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