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そのころ平瀬菜乃は~
??「失礼しま~す。」
八幡「あれ?畑野先生。どうかされましたか?」
畑野「あの、平瀬さんに用があって、」
八幡「菜乃さんに?」
畑野「はい。平瀬さんに相談するとよいと聞きまして。」
八幡「なにか起きたんですか?」
実は私は授業中などの時間、スクールカウンセラーをしている。
同級生にしか話せないこと、学生にしか話したくないこと、
世の中にはいろいろあるものだ。
平瀬「ここからは、私が聞きます。どうぞ、お座りください。」
第一印象は、若そう。
清楚系な感じで、顔も悪くない。
指導も優しいと聞く。帰国子女の英語教師。
平瀬「えっと、畑野雪先生。どうされたんですか?
パワハラ?セクハラ?モンスター?」
畑野「えっと、実は、こんなものがうちに……」
といって、畑野先生は封筒を取り出す。
その封筒から出てきたのは、
平瀬「……殺害予告?」
と書かれた紙だった。
その紙を手に取る。紙自体は普通のプリンターで使う紙だし、
フォントもどこにだってある游明朝だ。
一番上の行に赤字で”殺害予告”と書いてあり、
その下には日時が書かれている。
平瀬「これって……3日後?」
今日は6月7日。ここに書いてある日付は6月10日だ。
平瀬「これはいつ頃?」
畑野「今日家を出るとき見つけまして、怖くなって。
そしたら他の先生が、
平瀬さんがなんでも解決してくれると。」
なぜそんなうわさが広まってるんだ。
平瀬「ほかに、変なことはなかったですか?家の周りとか。」
畑野「うーん。ないですかね……」
平瀬「……では、狙われる理由の心当たりは?」
畑野「うーん……強いて言うなら、親ですかね。」
平瀬「親?」
畑野「私の親、ある企業の社長なんですよね。」
平瀬「凄いですね。」
畑野「最近親とのかかわりはないんですけど、
社内トラブルとかで個人情報が持ち出されたり、とか。
考えすぎですよね?そんな小説みたいなこと。」
平瀬「いや、起きますよ。全然。」
畑野「へ?」
平瀬「畑野先生を心配させる気はないですが、ほら。
事実は小説よりも奇なりですから。
でも、大丈夫ですよ。うちには天野さんもいますから。」
畑野「お、お願いします!」
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