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BMWの後部座席にアレクを乗せたあとも、どこからともなく銃弾が飛んできた。防弾用に強化ガラスをつけられたBMWには罅こそ入るが、それ以上に割れることはない。
縦列駐車しているBMWを車道に出し、右手でハンドルを反転させ、左手に持ちかえたグロックでフォード車の運転席にいる男を撃った。
後部座席と助手席にまだ敵がいる。
ユンソルはBMWをフォード車の側面にぴったりくっつけると、至近距離から車内に銃弾を浴びせた。
助手席の男が撃った弾がユンソルのほうへ飛んできたが、屈んだおかげで助手席側の窓に当たった。ほとんど相打ちのタイミングになったが、ユンソルの弾はしっかり男の首を抉った。
後部座席の男は用心深くシートを盾にして攻撃してこない。ユンソルはBMWを歩道に乗り上げて、フォード車と向き合う位置に移動した。それでも男は撃ってこない。
ユンソルは後部座席のガンケースからM40A1を取り出すと、一瞬で組み立て、男が気づいた時には銃口が向けられていた。
男の頭が弾け飛び、脳みそがバッグフロントガラスにまで跳ねた。
(ちょっとグロいものを見せたかな)
ルームミラーで後部座席にいるアレクを見ると、吐きそうになって口元を押さえている。
「エチケット袋なら…」
ユンソルが言おうとしたところで、アレクはドアを開けて盛大に吐瀉物をぶちまけた。
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