18人が本棚に入れています
本棚に追加
2発目の弾丸が光を突き破って飛んでくる。
チソンは無意識だが、体が覚えている。迫ってくる殺気、弾丸…いや、やはり殺気。
チソンの床についた手のそばを弾が跳ねた。
チソンは床の上に体を転がせ、ベット下からライフルを掴んだ。
ルイが使わないように、弾はいつも入れていない。ローテーブルの引き出しから弾を取っているうちに、次々と弾が降ってきた。窓が割れ、ソファの革が破け、ベットの布団から羽がふわふわ舞い上がる。
弾を箱ごと取って、蹲ったまま弾を込めた。スライドを引き、ベランダの窓際に向かってソファごと押し込む。ソファに飛び乗り、横たわる。ソファの上に弾が来ることはなく、チソンはそこで冷静に考えた。
(間違いない。
劉の誰かだ…。)
向かいの団地から撃ってきてることは間違いない。射程距離はそれほど遠くなく300mといったところか。
(相手が誰かによる。
ブッチか、アリス…エル。まさか…ケイ?)
ケイのはずがないと頭を振る。
ソファの位置から鏡台の割れた鏡が見える。鏡は向かいの団地を見せてくれていた。
最初のコメントを投稿しよう!