1.高校の時に同級生だった私たちは大人になって出会いました。

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 いつの間にか仲良くなっている子どもたちに楓さんと同じタイミングで「あら、まぁ」と呟いて、お互い顔を見合わせ、クスっと笑っていると、旦那と米田君の会話も聞こえてきました。 「お、マイダーツあるんすか? 俺もあるんすけど予算的にブラスしか買えなくて、数本だけあるんすよ」 「コスパがいいですもんね。僕は昔から愛用していたダングステンと、嫁から誕生日プレゼントで貰っているものがあるのでちょっといいとこのお坊ちゃん並には持っているんですよ」 「マジすか!? えー! いいなぁ~。ちょっと憧れているんですよねぇ」 「なら、良かったら今度一緒に投げません? 僕の貸すので、今後のダーツ選びの参考にしますか?」 「え!? それは嬉しいっす! やったぁ! ちょちょ、早速連絡先交換しましょっ。一緒にやってくれる友達少なかったんでありがてぇっす!」  まぁ、なんてことでしょう。会話の内容は私にはさっぱりわかりませんが、なんと、旦那と米田君は趣味が一緒だったようです。一番意気投合し、私たちより先に連絡先を交換しているではありませんか。楓さんも同じように吃驚していたようで、またなんとなしにお互い顔を見合わせ、今度は、ぷはっ、と吹き出していました。 「折角の縁ですし、私たちも」 「ええ、よろしくお願いします」  こうして、不思議な運命の元、出会ってすぐ仲良くなった私たちは。 『仲良くなった記念に』ということで、家族同士でBBQに行く約束をすることとなったのです。  これが、私たち家族の。  ――いえ、私の裏表が激しくなる物語の、幕開けでした。
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