綺麗な月夜に三叉路の彼女と出会った

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 確かに雨はいつの間にか小降りになっていた。それにパパもママもいないの、なんてアニメやマンガの世界だかのお約束だと思っていた。それが今、僕の目の前で起きている。それも僕が気になっている女の子相手に。  勉強ばかりしている僕だって人並みに男の子だ。女の子に対しての憧れや願望は持っている。早く帰らないとという論理的な僕が、三池さんの言葉に乗っかりたいという感情的な僕に負けそうだ。 「ほら、早く」 「あっ、うん。じゃあ」  確かにこのままじゃ風邪を引きそうだし、せっかくの好意を無碍にするのもなどといろんな言い訳を並べて僕は三池さんの家に上がらせてもらった。  人生で初めて入る女の子の部屋。白とピンクを基調にしたシンプルな部屋。芳香剤なのか、すごく良い匂いがする。バスタオルを取りに行った三池さんを待つ間、身の置き所もなく、所在無げにあちこちに目線をはわせる。 「ごめんね、これ使って」  部屋のドアを開けて三池さんが入ってくるや、僕に真っ白いバスタオルを渡してきた。 「ありがとう」  僕は受け取ったタオルで頭や身体に染みている水分を拭き取っていく。 「あのさ、早瀬くん。もう分かっているかもしれないんだけれど、私」  三池さんの言葉に、タオルで身体を拭いていた動作がとまる。  これはもしかして、告白されるのか。鼓動が早くなっていく。 「私、早瀬くんのこと好きなんだ。ずっと好きだったんだ」  息が詰まる。どう返事をしたらいいんだろう。頭の中のボキャブラリーを漁りまくるけれど、適当な言葉が見つからない。 「私、早瀬くんの彼女にしてもらえないかな」
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