入れ替わりの婚約

プロローグ

私と彼女は同い年の従姉妹。
父親が兄弟で顔が似ているから私達の顔もそっくり。

五つ上に兄が、二つ上に姉がいる、四月生まれで従姉妹の新那(にいな)。
四つ下に弟が、六つ下に妹がいる十月生まれの私、椎菜(しいな)。

髪の長さを揃えれば、同じ服を着れば、同じ話し方をすればそっくりだけど。
素の私達でいれば友達としか思われない。

お祖父さんが会社の副社長で父親が弁護士、母親が看護師の新那は格好も性格も振る舞いもお嬢様。Ａ県のN中学校女子部に入学して、そのままエスカレーター式で高校に入り今も電車で通ってる。
それに比べて父親が普通のサラリーマンで母親がパートに行っている私は、結構賢い私立の中高一貫校に入り、そのまま高校に行ったけどお嬢様なんかじゃない。

そんな私達が何故間違えられたのか。
本当に本当に、よくわからない。