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優里さんは大学一年生で新那の姉。新那のお兄さんは大学四年生の光琉さん。二人ともすごく優しいんだよ。
「うん、来るよ。……ん?ちょっと待って。なんのパーティーかわかってる?」
「え?なんかあれでしょ。新那のお祖父さんの知り合いか誰かが開催する謎のパーティー」
「やっぱ誤解してた?というかなによ、その謎のパーティーって」
「え、だって謎じゃん。色んな会社の偉い人がたくさん来てさぁ…………」
「……そんなに謎かな?まぁそれは置いといて、ね。今回のパーティーは兄さんと姉さんの婚約お披露目会と私の婚約相手を見つけるのを兼ねたパーティーみたいなもんなの」
「ふぅん。なるほど」
「でね。ついでに椎菜の婚約相手を見つけない?って言うことになってね」
「ふむふむ」
「で、その話をしたら―――」
「ちょ、ちょっと待ったぁ!私の婚約者!?いいよ、いらないいらない!」
「話聞いて!椎菜と昂輝と美穂の婚約相手を見つけるの!このパーティーで!あ、でもいい人がいなかったら大丈夫だよ。家柄はね、お祖父様が選んだところだからまぁまぁ良いところよ。そこは安心してね」
………あ、安心できない。というか不安な要素しかない……!だって私、普通の家の娘だよ?家柄が違いすぎると思うんだけど………。
「ねっ!いいでしょ?」
キラキラと期待に満ちた瞳でこちらを見てくる新那。
………この瞳には逆らえない……。
「いいよ、分かった。でもマナーとかちゃんとしてないからそれはよろしくね」
そう、一番心配なのはマナーだ。パーティーの時にやってはいけないことをしてしまったら新那たちに申し訳ないから。
でも新那はあ、何だそんなこと。みたいな顔をしてこう言った。
「平気よ、平気!椎菜、しっかりしてるもん。昂輝と美穂もね。兄さんと姉さんと過ごす時間が多かったからかな?」
え、えぇ……?
「マジで?嬉しい」
「やったぁ。ありがと!」
でも昂輝と美穂はご機嫌で。
今日のところはまぁ、いっか。
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