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数日後。
新那が家にやってきた。
「はいっ!これがパーティーの招待状ね。で、会場までは車を出すからそれで行きましょ?」
そう言うとポンッと白い封筒を私、昂輝、美穂の順に手のひらへ乗せていく。
白い封筒を開けて中から出てきたのは―――
「カード?あ、手紙!」
そう。手紙だったのだ。
「美穂、せいかーい!これは手紙だよ。これを封筒に入れて、受付の人に渡してね」
「ん?ってことはこれを無くしたり、忘れたりしたら入れない、ってこと?」
「おぉ~。流石だね、椎菜。鋭い!そう。椎名の言う通り、これを受付の人に渡さなければ会場には入れないよ」
「え!じゃあチョコフォンデュも食べれないの!?」
「ってことは飯も!?」
「うん、そうだよ~」
「「絶対忘れないようにしないと!」」
必死な昂輝と美穂。会場に入れない、っていう言葉で最初に思いつくのがそれなの!?どれだけ食いしん坊なのよっ!
「ふふっ。そうしてね。あ、そだ。椎名」
「ん?」
「ドレス、アクセサリー、メイクとかはこっちで用意するけど一応高校生でしょ?」
「うん」
「だから、よそ行きのワンピースとかで来てね」
「りょうかーい」
よそ行きのワンピース、ねぇ。一着しかないけどあれでいいかな?なんか心配……。
「ねぇ新那?よそ行きのワンピースなんだけどさぁ。ちょっと確認してくれない?」
「いいよ~」
新那を連れて階段を上がり一番奥の部屋へ。
扉をガチャリと開けると新那が、おぉ~と言った。
「すご、綺麗……!」
「ごめん掃除してないから汚い」
「え、でも自分で掃除してるんでしょ?すごいよ!自分でやってこんなに綺麗になるんだね」
「うーん?でも新那はお手伝いさん?いや、家政婦さんだっけ?が掃除してくれるんでしょ?私の部屋より新那の部屋のほうがずっと綺麗だと思うけど」
「いや、プロだから!向こうはプロだからっ!」
新那の家は家政婦さんか、お手伝いさんがいるからいつ行っても絶対綺麗なの。
お金持ちはやっぱ庶民とは違うよねぇ〜。尊敬。
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