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「で、よそ行きのワンピースを見てほしいんだけど」
「うん、いいよ。どれ?」
私はクローゼットを開けて、その中から汚れてない、黒色の綺麗なワンピースを取り出す。
「これだよ。でもよそ行きのワンピースってこれしかないんだよね……」
「うん、いいね!綺麗だし。これに白のカーディガンを羽織るのがいいと思う」
「分かった。カーディガンはこれでいい?」
私は再びクローゼットを開けて、今度は白の少し透けているカーディガンを取り出した。
「いい!このコーデで来てね!ドレスは会場に着いてから控え室で選んで着よう」
「うん。分かった」
「じゃあパーティー当日は私の家に十時すぎに集合ねって昂輝たちに伝えておいてくれる?」
「えぇ。そういえば私の両親は来るの?」
「ううん。聞いてみたんだけど、『いいよ、お留守番してるから』って言ってたからいいかなって。父さんと母さんも後から来るし」
「了解っ。じゃあそういうことで」
「うん」
二人で階段を降りて、昂輝たちと新那を玄関まで見送った。
「じゃね、新那。今日はありがとう」
「ありがとう、新那姉ちゃん」
「パーティー楽しみにしてるねっ!バイバイ!」
「椎菜、昂輝、美穂、じゃあね。またパーティー当日に!」
そう言うと新那は黒塗りの車に乗って帰っていった。
「新那姉ちゃん、帰っちゃったな」
「ね!あと思ったのが新那お姉ちゃんってやっぱお嬢様なんだなってこと」
「新那は完全完璧お嬢様だよ」
「だよな」
「だよね」
そうみんなで話していたら、
四時を知らせる時計がなった。
「ご飯作ろっか」
って私が言ったら、
「そーしよ、そーしよ」
と昂輝が言って
「お腹減ったぁ」
って美穂が言った。
その言葉に私と昂輝は二人揃って「「早くない!?」」と驚きの声を上げたのだった。
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