優等生の愛情

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私は私立に通っていた。 そこではいわゆる優等生というものだろう。 授業をしっかり受けて、テストでいい点数を取って、問題行動もなく、品行方正で優しさがある。 そんな人になりたくてなった。彼女のために。 彼女が私を少しでも慕ってくれる部分を増やすがために、私は私に(本音)を吐いている。 温かい羊水に浸かるが如く眠りにつけば彼女の夢を見る。 会いたくて会いたいがために会いたいが暴走して会いたいが溢れて会いたいが愛になる。 彼女は地元の公立校に通っているから、もう数年は会っていないだろうか。 そんな彼女に出会って恋をしたのは、確かまだ春が終わらずセイヨウタンポポがぐしゃっと踏み潰されているのを見た頃だろうか。
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