06:運命の恋人

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 子どもたちと一緒に泥まみれになり、楽しそうに笑っていたベルウェザー。  膨らんだお腹を撫でさせてもらったこと。  生まれた子どもの名付け親にさせてもらったこと。  いまとなっては全てが遠く懐かしい。 「カイはベルウェザーにベタ惚れだったし、ベルウェザーもカイにベタ惚れだった。聞けば、カイはベルウェザーに一目惚れしたんですってよ。あんたもルーシェと会ったとき、一目惚れしたんじゃない?」 「……まあな」  素直に認めるのは抵抗があるのか、ジオは複雑な顔で頷いた。 「あっはっは! やっぱあんたカイの生まれ変わりだわ。目の色は違うけど、髪の色とか、あたしに対する態度とかそっくりだもの。ただの人間のくせして、あいつは全然あたしのこと敬わなかったし、ベルウェザーとも遠慮なく喧嘩してた。その気になればベルウェザーもあたしも一撃でカイを殺せるだけの力があるのに、そんなの知ったことか、オレは好きなように生きるって言ってたわ。ね? まるっきりあんたでしょ?」  メグは大笑いして手を叩いた。
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