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僕と彼と彼女
僕の大好きな彼は今日も彼女と
一緒に僕の前を歩く。
彼女に勝ちたい僕は、
心の中で彼女に勝負を挑んだ。
一回戦 『EVの中の壁ドン対決!』僕の負け。
二回戦 『トイレにGO対決!』僕の圧勝!
今のところ一勝一敗。
今日は三回戦 これで勝敗が決まる。
引き分けにはしたくない僕は昨日寝ずに考えた。
「おまえ、目が真っ赤だぞ」
と彼が僕の前髪をかきあげて僕の目を覗き込む。
「ち・・近いよ。大丈夫だよ」と僕は平気な顔で答える。
「ほんとか?じゃあいいけど。行くぞ」とツンな彼が言った。
想定外の彼の『不意打ち胸キュン攻撃』に、
あやうく負傷しそうになった僕は
なんとか攻撃を交わす。
「今日、寒いね・・」
彼女の先行で三回戦が開幕した。
「うん。寒いね、今日も二人仲いいね。」
と僕のターン。
寒そうな僕に彼女が・・・
「そんなことないよ。あっ!カイロ1個あげるよ」
「ありがとう。いつも優しいね」
なんていい子なんだ・・・
お~っと危ない危ない!彼女の魔力に
引き込まれるとこだった。
「騙されてはいかんぞ!勝負じゃからな」
と誰かの声。
「ありがとう・・って!誰?」
「おまえの心の声じゃ」
「おじいちゃんみたい・・
とにかくもうほっといて!」
と部外者の乱入にも負けない僕。
三回戦・・・苦戦する僕。
「なんで、こいつにやんの?俺にくれないの?」と少し不機嫌で彼が言う。
「おまえがもらってんじゃね~よ」と僕の手からカイロを取り上げる君。
「寒いなら、俺が温めてやるよ・・」
と俺の肩に手を回し僕を引き寄せる君。
彼と彼女と後ろに僕、それはいつもの順番
でも今日は、肩を組まれ一緒に歩く僕と彼
そして後ろには彼女。
「これは、勝てるかも・・」
と僕は淡い期待を持つ。
「やっぱり寒い・・」
と可愛い声の彼女の一言で・・
振り向く彼・・
「うっ!やめて、僕の前で・・」
パリン・・と僕の繊細な心が割れる音がした。
三回戦・・作戦を決行する前に
あっさりコールド負け。
今日も、僕の大好きな彼は彼女と
一緒に僕の前を歩く。
やっぱり僕は彼女には勝てない・・
でも、やっぱり僕は彼が大好き!
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