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僕と彼と彼女とあの娘
僕の大好きな彼・・
今日もツンとしてる彼・・
僕の大好きな彼・・
彼のことを大好きな彼女・・
今日も笑顔で・・「く・くそ!可愛い」
僕の戦いは今日も続く・・
1回戦 敗北
2回戦 勝利
3回戦 コールド負け
そして・・4回戦の準備に余念がない僕。
しかし、予想もしない事態が僕を襲う。
みたくない光景・・
すべての動きを止めてしまう呪いの言葉・・
そ・れ・は『可愛い女子の転校生』という
恐怖の言葉。
僕は振り返り彼を見る。
彼女も振り返り彼を見る。
彼だけが・・『あの娘』を見ている。
昼休み・・・
僕と彼と彼女の鉄壁ゾーンに『あの娘』が侵入してきた。
僕のセンサーを簡単に通り抜け・・・
『あの娘』がニッコリ笑い僕に爆弾を投げつけた。
「一緒に食べようよ」馴れ馴れしい『あの娘』
「いいよ、こっち座れば」と隣に座らせる彼。
無言になる彼女。
一人焦りまくる僕。
僕らの言葉はいつも『三行』
でも・・・『あの娘』が入ると『四行』
だめだ、そんなの絶対だめだ。
まずい・・非常にまずい・・
これは彼女と4回戦どころではない・・
僕らの『三行』を死守するためには、
ここはひとつ彼女と休戦して敵である
『あの娘』を撃破するしかない。
読者の皆さん、僕にパワーを!パワーを送ってください!
どうか・・どうか・・パワーを・・
僕は思い切って『あの娘』に話す。
「彼には彼女がいるからだめだよ」
「あ~。そうなんだ。じゃあ君でも
いいんだけどな・・・」と『あの娘』が
僕の顎を自分の手のひらにのせた。
まさか・・まさかの 『あごクイ!』に
僕の思考回路は完全停止した。
僕には大好きな彼がいるのに・・
女子に顎を触られるとは・・ 無念
「な~んだ。そういうこと?」と冷たい君の声
「ち、ちがうよ」と僕が言う。
「じゃました?」と彼の後ろから彼女が言う。
「あっ!冗談・冗談、だってば~
あまりにも可愛いすぎたからつい・・」
と『あの娘』が言う。
「だろ?こいつ可愛いんだ」と彼が言う。
「帰るぞ・・」と冷たい彼。
「うん・・帰ろう」と僕が言う。
彼は彼女の隣を歩く。
彼女も彼の隣を歩く。
僕は彼と彼女と並んで歩く。
今日も僕は彼のことが大好きだ!
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