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はじまりはこうだった・・
彼・彼女・僕 いつも仲良し三人組。
彼と彼女は似合いのカップル。
彼と僕はイケメン高校生・・
と女子の間で呼ばれている。
彼女にとって僕は彼氏の親友。
彼は彼女が好き。
彼女も彼が好き。
僕は、 彼が大好き!
僕は彼女に負けている。
男の時点ですでに負けている。
混み合うEVの中、
彼女を守るように彼が壁ドンをする。
二人は見つめ合い互いに顔を背ける。
混み合うEVの中、
僕を除けるように彼が壁ドンをする。
ドキドキする僕に「何?近いんだけど・・・」
と冷たい君。
「ご・ごめん」と謝る僕。
彼女に負けた。
彼女は悪い娘ではない。
でも・・僕は彼女に勝ちたい。
彼の隣に立ちたい。
ふたりだけの時間を過ごしたい、
彼女が僕と彼の間に入れないような・・・
考えろ!考えろ!彼女に勝つ方法を・・
「あっ!あった。ひとつだけ」
休み時間の教室、彼と彼女と僕がいる。
彼が僕に言う。「行かねーの?」
「あっ!待って行くよ・・行く」と僕は彼の後を追った。
あった!
彼と二人きりになれる場所が・・
彼の隣に立てる場所が・・
彼女が絶対入ることのできない
彼と僕だけの空間。
彼女に・・勝った!
男子トイレに向かいながら
僕はニヤニヤとしながら
彼の後ろをちょこちょこと歩く。
「何?」冷たく言う彼。
「別に何でもないよ」いつもの会話。
僕はそんな彼が大好き!
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