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ついに儀式当日
結局、碧が雪兎さんに聞いたところによると、色が確認された隠逸花の記載があるにはあるらしい
が、はっきりとした色の記載はないらしい
なんとなく茶色っぽい、灰色っぽい、赤茶っぽい、等々…
まあ、体に出た物なんてそんなもんだろ
朝から禊やら、着替えやら、周りもずっとバタバタしてて、なんかすでに疲れてきた
儀式の場に通され着席する
いつか見たおばさん、より、もう少し歳とったおばさんが近くに座る
頭上には、俺達二人が入る程の円を描くようにしめ縄が飾られ、紙垂が付けられている
その外を囲うように5人の神職者達
碧や雪兎さんも、その中に居る
さらにその外側にも何人もの神職者達
なんか…ちょっと緊張してきたな…
雪兎さんから護符貰って飲んどいて良かった
今朝準備中に、緊張がほぐれて護ってくれるからと、雪兎さんが飲み込む護符を持って来てくれた
深呼吸をして碧を見る
うん、大丈夫だ
護符も効いてるはずだし碧も居る
「大丈夫よ。すぐに終わりますからね」
隣に居るおばさんが優しい笑顔で話しかけてきた
「はい」
この人は今日で役目を終えるんだな…
しばらく祝詞を上げていると、おばさんが
「樹君、こっち向いてくれる?」
そう言ってきた
俺達は向かい合わせの形となった
すると間もなく、おばさんの左肩の辺りが光りだして体の外へと出て来た
光の中には箱のような形
その中に菊の花が見える
あれが開闢なのか?
その光はそのまま俺の方へと近づいてきて、俺の左腹の辺りまで来ると、俺の体に溶け込むように入っていく
不思議な光景だ
ほんとに俺は何もしないまま勝手に受け継がれたようだ
徐々に光が消えていく
これで無事儀式終了か
ド…ズッ…
?
後ろから何かぶつかっ……
え?雪兎さん?
何で今雪兎さんがこんな近くに…
?なんか足元濡れて…血?!
どこから?!…あれ?なんか体力入らない…
ドサッ
「樹!」
碧?
あれ?なんか体すげぇ痛い
「うっ~…はっ…はぁっ」
痛過ぎて上手く息出来ない
何?さっきの血、俺の?
目…ボヤけてよく見えない…
なんかすげぇ騒がしい感じするけど、よく聞こえない…
碧は?
「あお……い……」
頭…ぼ~っとしてきた
俺…死ぬのか?
ああ、でも、このまま力抜けば痛いのもわからなくなるか…な………
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