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「…うん…うん、ははっ!お前それヤバいって!はははっ!…うん、おお、こっちは変わりない。あのうざい兄ちゃんともちゃんと仲良くやってるから心配すんな…おお、じゃあ明日な」
やっぱ3日は早いな
明日には碧とチェンジだ!
碧が戻って来たら何すっかな?
夏休みはまだまだあるしな
雪兎さんとは連絡とってるだろ
一応母さんに予定通り明日碧が戻って来るって伝えとくか
「……?…うん、そっか」
あ、雪兎さん電話してる
「大丈夫か?……うん……うん、明日には帰るからな…うん、そうだな…」
いつもとは違う優しい口調
年下の…彼女なのかな?
あんま聞かない方がいいよな
出直すか
「あ~おい~!元気だったか~?」
「ああ、お前も変わりなかった…ぐぇっ、やめろ」
碧が戻って来た!
思いっきり背中をバンバン叩いてやる
俺の楽しい夏休み再開だ!
「ははっ、そこまであからさまに違う態度とられると、ちょっと妬けちゃうなぁ」
感動の俺達の再会に雪兎さんが顔を出す
30分程碧に引き継ぎやらなにやらした後、
「雪兎君ありがとう。これ、お昼ご飯にでも食べて」
「いつもすみません。じゃあね樹君、碧君」
母さんがいつもの昼飯的な何かを持たせて、無事チェンジ完了
「なぁ、なぁ、碧、スイカ食う?スイカあるぞ?あ、そうだ!そろそろ漫画の新刊出るから見に行ってみね~?」
「お、スイカ食う。新刊?何だっけ?」
ヤバい
たった3日なのに話したい事も、やりたい事も次々出てくる
「これ樹、碧君戻って来たばっかりで疲れてるんだから、あまり急かさないの。今日は家でゆっくりしなさい」
「……へ~い」
俺がふて腐れてると、
「樹、雪兎さん変わりなかったか?」
碧が聞いてきた
「…?別に?いつもと同じ。モテるオーラ出して俺のこと子供扱いして楽しそうにしてたけど?」
思い出すと腹立つな
絶対俺の歳にはもうモテ人生歩んでたんだろうな
「…そうか。んで?お前も変わりなしか?」
言いながら碧が、俺の左腹をトントンとしてくる
「おお、昨日もちゃんと鏡で確認済みだ」
どうせなら、せめて高校卒業までは変わらないで欲しい
具体的に何をどうするのかは知らないが、面倒なことになるのは確実だ
出来れば学生生活は穏便に送りたい
「なあ、もし隠逸花受け継いだら、学校とか行けなくなるのか?」
俺と違って代々護り人の家系の碧は、俺よりずっと知識がある
「いや、行けなくなるわけではない。けど、学校生活に集中は出来なくなるだろな」
「ふ~ん」
俺の家は代々神社を守ってはきたが、継ぎ人やら護り人やらとは無縁だ
父さんは、さすがにその存在は知っていたみたいだが、詳しいことは何も知らない
だから、時々碧に色々聞いてはみるけど、抽象的っつうか、いまいちよくわからない
碧が上手く説明出来ないのか、碧自体詳しく知らないのか、もしくは、俺にあまり知らせないように言われてるのか
「なんかよくわかんね~の。でも、とりあえず碧はずっと傍に居るんだよな?」
「まあ、そうだろうな」
それなら、とりあえず大丈夫だろ
碧と一緒ならどうにかなるって思えるから不思議だ
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