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半年前の出来事
カフェに到着したtsukiとひかるは、
空いている席に座ると、本日のランチメニューを注文すると、
テーブルに置かれたコップに
注がれた水を一気に飲み干した。
「あ~、レッスンの後の水は美味しい」
とグラスを握りしめたひかるが店員に
水のおかわりを要求する。
店員は、二人のグラスに水を注ぐと
カウンターの方へ戻って行った。
「tsukiは、まだ夜の公園で練習してるの?」
ひかるが彼女に聞いた。
「うん、やってるよ……何で?」
「だって、私達、下部組織だけどさ一応練習
場所あるじゃない?なのにどうしてかな~? って思って」
「う~ん、それは、日課になってるというか、
原点を忘れたくないっていうか、
落ち着くんだよね、夜に公園で踊ると、
夜空に浮かぶ『月』を見てると、心が
穏やかになるっていうか」
「『tsuki』が『月』を見て落ち着くのか……
まぁ、あんたがそれでいいのならいいけど。
ところで、例の『ライト』とかいう人とは
また遭遇できたの?」
「ううん、この半年、一度も遭遇できて
いないかな。
今思えば不思議な人だった。」
「ふ~ん、tsukiが今以上に輝けるまで
光を放ち続けますなんて、
『ナルシスト』だよね、
その、ライトって人。」
「そうだね、でも、透き通るような
白い肌とブルーの瞳が 凄く綺麗で、
まるで『月の化身』かと思うくらいに、
神秘的だったんだよ。」
「そうか、『月夜に起こった奇跡』の物語か。
ランチ冷めないうちに食べようか。」
と言うとひかるとtsukiは運ばれて来た
料理を食べ始めた。
太陽が、西に沈む頃、自宅アパートの窓から
空を見あげたtsukiはキラキラと光る
『一番星』を見つけると、「今夜も月が昇るかな?」と呟いた。
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