17人が本棚に入れています
本棚に追加
天空係……その名は『天ちゃん』
「なぁ~天ちゃん、だめなのか?
教えてくれよ~、頼むよ~」
ライトの親友赤星が話しかける。
「だめだよ……教えられないよ、
大王様に知れたら大変なことになる」おどおどしながら
赤星の質問に答えるこの声の主は、
ライトを間違って地上に降ろしてしまった
張本人……。
『天空係』の『天童』、皆からは『天ちゃん』
と呼ばれている。
「だっておまえ、半年前にライトを間違って
地上に降ろしただろ?それも、わざわざ
人間の姿をした『化身』にして。
それに、このこと大王様は知らないんだよな?
それって、『隠ぺい』だよな?
い・ん・ぺ・い」
「う……半年前のことをほじくりかえして
仕方なかったんだよ。あの時期は丁度」
言葉を濁す天ちゃんに赤星が、
「天ちゃん~、何、何?」と問い詰める。
「はぁ~、赤星君には叶わないな……。
半年前のことは大王様には言わないって
約束できる?」
「うん、うん、約束するよ」と返事をする
赤星。
「じゃあ……」と言うと天ちゃんは、身体から
七色の光を放つ。天ちゃんから放たれた光は
赤星を包み込んだかと思うと、赤星が『化身』の姿になった。
そして、赤星と同様に天ちゃんも『化身』の姿になった。
「おお~、すげ~、俺の姿、カッコよくね?」
自分の姿に驚く赤星。スラリとした容姿に
ふわふわとした赤毛の美男子。
「じゃあ、行きますよ。ついて来て下さい。」
メガネをかけた文学青年風に化身した天ちゃん
が赤星を連れて、遥か大気圏外に向かって
天空を移動し始めた。
最初のコメントを投稿しよう!