月と踊り子

化身した三人

「ライト……ライト起きろよ」赤星の声が聞こえ、
ライトが目を覚ますと、目の前に『化身』の姿の赤星と天空係の天ちゃんが暗闇の空間に浮いていた。

「え？お前たち、どうしたの？そんな姿で」
ライトがふたりに聞いた。
「今から、天ちゃんがおまえを地上に降ろした
　訳を教えてくれるんだって、だからライトも
　一緒にと思ってさ、なぁ、天ちゃん」

「ああ、ライト君、その節は、その悪かったね
　突然、地上に……」と天ちゃんが言った。

「いいよ、そんなこと、謝らなくて」
ライトが天ちゃんにそう言うと赤星が
「まぁ、まぁ、そんなことより、天ちゃん、
　ライトも早く……」と天ちゃんを促した。

「わかったよ、じゃあ……」そう言うと
天ちゃんは、赤星と同様にライトに向かって
七色の光を放つと、見る見るうちにライトが
化身した姿に変わった。

人間の姿に変わった三人は、天ちゃんの誘導で
暗闇の空間を浮かびながら進む。

「なぁ、何処に行くんだよ」ライトが聞いた。
「もうすぐだよ……」天ちゃんが言った。