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祈り
「俺のおねだり、聞いてくれるって言いましたよね?」
酔ったフリをして、想い人である織田を自分の部屋に連れ込み、ベッドに押し倒しながらそう言って笑みを浮かべる。
「……笠狭木?」
自分の置かれている状況が飲み込めず、ただ笠狭木を見つめ返すばかりの織田の首筋に、ゆっくりと唇を這わして軽くリップ音を立てる。
部屋に響いたそれにビクッと体を揺らして、反射的に笠狭木を押し退けようと動く手首を掴み、シーツに縫いとめるように押しつける。
解こうと身をよじる織田の体にのしかかりながら、笠狭木はもう一度首元にキスを落とした。
「……なんで、こんなこと……」
戸惑い揺れる瞳が、笠狭木の中に燻っていた独占欲と加虐心を擽り、繋ぎ止める腕にさらに力がこもる。
「わからない?」
愛おし気に目を細めて織田を見つめ、こめかみから耳へと愛撫するように舌でなぞり、柔らかい耳朶に口づけながら囁く。
「あなたを、愛しているからですよ」
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