第二話 あの人

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僕は店を出て貰ったお弁当をしばらく見つめて にやけていた。 (なんて優しい人なんだろう。 やっぱり綺麗な人だなぁ…あの人… あの居酒屋で見た人だ…。 この前は、俺の携帯届けてくれたよな…。 二回もお世話になってしまったな…。 何かお礼したいなぁ。) 僕は時計を見た。 夜の21時半だった。 (このスーパーは22時までだよな? あの人の事待ってみようかな…。 でもな…迷惑かもな…。) 僕はしばらく悩んだ末、待つ事にした。 「よし、コーヒーでも買って渡そう!」 僕は近くのコンビニで缶コーヒーとビールを買ってきた。 しばらく彼女の仕事が終わるのを待っていた。 22時になってスーパーが閉店した。 でも彼女は、中々店から出てこなかった。 気がつくと22時半過ぎになっていた。 (まだかな…。) 全く彼女らしい人が、出て来なかった。 僕は諦めかけていた。 その時だった。 店の中から一人の女性が出てきた。 (あっ、あの人だ!) 僕は、慌てて彼女の方に駆け寄った。
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