第二話 あの人

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「あの…。すみません…。」 僕は勇気を出して彼女に声をかけた。 後ろから急に声をかけたから、彼女はすごく驚いた様子だった。 「えっ?何?だ、誰ですか?」 僕は、見るからに怪しい格好をしていた。 帽子もサングラスもマスクもしていた。 それも、夜真っ暗の中こんな格好の人に声をかけられたら、誰だって驚くだろう…。 「えっ?えっ?もしかして…さっき買い物に 来て下さったお客様…ですか?」 僕は頷いた。 「そうです。さっき唐揚げ弁当を頂いたものです。さっきは本当にありがとうございました。 何かお礼したくて、勝手にあなたの事待っていました。迷惑だとは思ったんですけど… どうしてもお礼がしたくて。」 僕は必死で話をした。 彼女は笑ってくれた。 「あははは。びっくりしましたー!  私、てっきり犯罪者か変態かと思ってしまって…。ごめんなさい…。 失礼ですね…。でも、見た目が…。」 僕も笑った。 「確かに…。そうですよね…怪しかったですよね…。急にすみませんでした…。」 僕達はしばらく笑っていた。
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