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「あの…。すみません…。」
僕は勇気を出して彼女に声をかけた。
後ろから急に声をかけたから、彼女はすごく驚いた様子だった。
「えっ?何?だ、誰ですか?」
僕は、見るからに怪しい格好をしていた。
帽子もサングラスもマスクもしていた。
それも、夜真っ暗の中こんな格好の人に声をかけられたら、誰だって驚くだろう…。
「えっ?えっ?もしかして…さっき買い物に
来て下さったお客様…ですか?」
僕は頷いた。
「そうです。さっき唐揚げ弁当を頂いたものです。さっきは本当にありがとうございました。
何かお礼したくて、勝手にあなたの事待っていました。迷惑だとは思ったんですけど…
どうしてもお礼がしたくて。」
僕は必死で話をした。
彼女は笑ってくれた。
「あははは。びっくりしましたー!
私、てっきり犯罪者か変態かと思ってしまって…。ごめんなさい…。
失礼ですね…。でも、見た目が…。」
僕も笑った。
「確かに…。そうですよね…怪しかったですよね…。急にすみませんでした…。」
僕達はしばらく笑っていた。
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